名刺とは「価値」を伝えるための営業ツールである。 ~ 名刺交換しただけで、仕事を受注できる名刺とは ~

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2018年07月11日

名刺交換しただけで仕事につながる名刺とは

 

名刺交換の時に、どのような名刺をお渡しすれば、仕事につながるのか。

 

自身が持つ商品やサービスによっても話が変わります。
どこよりも安いコピー用紙を販売しています。という方と、
弊社が扱うダイアモンドは、1,000万円以上のものだけでございます。
という方と、名刺交換をしただけで仕事を頂ける難易度は全く違いますよね。

価格の違いもそうですが、商品やサービスの内容が誰もが知っているものなのか、
説明が必要なものなのかでも大きな違いが出てきます。

 

 

私は何度もあります。名刺交換だけで仕事を受注

 

私の場合、名刺交換をしただけで、名刺の仕事の受注を頂いた経験は何度もあります。

名刺交換後、「それなら、名倉さんに名刺をお願いします!」こう言って頂けるんです。

振り返ってみると、その場面というのは、現状の名刺に困っている方に対して、
または、潜在的に私が作る名刺に興味のある方に向けて、
私は業績を上げる名刺づくりの専門家です!と、名刺でしっかり伝えることが出来た時。
つまり、相手の困っていることを解決するすべを私が持っていますよ!ということ、
または、私はあなたのお役に立ちますよ!ということを、
名刺を通して伝えることが出来た時だと思います。

 

 

ポイントはあなたの困りごとを解決しますよ
 と、あなたのお役に立ちますよ

「んん~~。現状のままでは名刺が機能していない。
しっかり、名刺交換しただけで仕事のお話のできる、
そんな名刺を戦略的に作れないだろうか」

そのような要望をお持ちのお客様に、私が名刺交換させて頂く機会があり、
名刺を読んで頂くことが出来れば、
必ずもう少し詳しくお話を聞かせて頂けないですか。となるはずです。

 

つまり名刺交換で仕事を頂ける場面というのは、この二つ。
・あなたの困っていることを解決しますよ!
・あなたのお役に立ちますよ!
このことを、名刺交換の場でしっかり伝えることが出来き、
提供する側の「価値」と求める側の「価値」が一致した時です。

 

 

例えば、モノづくりをしている会社の経営者さん。
自社製品を作るのに、A→B→C→Dという工程を踏んで製作しているとします。

 

 

その中でも、「B」という工程が、ロスも多いし、手間もコストもかかる。
このせいで納期がかかる上に、この工程を内製化していることで、人員の効率も悪い。。。

そんな悩みを抱えている経営者さんに、ある勉強会で名刺交換した折、
名刺に「B」工程でお困りならお声掛け下さい!と書いてある。

そして「私の会社は「B」の工程を専門にしております」と名刺を渡される。
その経営者さんのその後の言動は? 予想がつきますよね。

おそらく「もう少し、詳しくお話を聞かせて頂けませんか」となるはずです。

そして話を聞いてみると、
自社で「B」の工程を行うより、その会社にアウトソーシングすれば、
納期は早いし、ロスも少ない、その上コストも大幅にダウンしそうだ!となれば、
明日、弊社に来ていただけないですか。となります。
名刺交換しただけで、仕事を受注できるかもしれない瞬間です。

 

 

名刺で伝えるべきことは「価値」である

つまり、名刺交換の時に名刺がその大事な部分を伝えることが出来るのかどうか。
僅か50.05㎠という、小さなスペースの中に、自分(自社)の価値をしっかりと、
端的に、わかりやすくどう表現するか。

そして、その自分(自社)が提供できる価値とお客様が必要とする価値が、合致した場合。
名刺交換するだけで仕事につながるのです。

ただ残念ながら、私に世界一精密な金属加工技術をお持ちの企業の営業マンと名刺交換し、
その価値を伝えて頂いたとしても、受注にはつながらない。
いくらその営業マンと人間的に仲良くなっても、
残念ながら、じゃあそろそろ金属の加工をお願いしようか、とはならない。
それは自分の価値と相手の価値が合致しないから。それは仕方のないこと。
それでも、あえて言うと、ひたすらに自分(自社)の価値を伝え続けること。
これが大事です。

 

 

名刺とは何?

さて、ここで皆さんに質問なのですが、
「名刺」って何だと思われますか?

 

もちろん、お名前や連絡先をお伝えするという最小限の機能はあるとした前提ですが、
私は、会社(自分)の価値を伝えるためのツールである。と考えています。

 

ここで認識を共有しておきたいのですが、
伝えるべきは「強み」ではなく「価値」だということです。

 

よく「あなたの会社の強みはなんですか?」と質問されることがあります。
その時、「あなたの会社の価値はなんですか?」との質問と、
明確に答えを分けることが出来ますか?
つまり「強み」と「価値」の違いです。

 

 

「強み」と「価値」は違う!!

辞書で調べてみました。
「強み」とは
・力や技がすぐれていて他に負けない部分
・長所・取り得・おはこ・特徴・専売特許・お家芸・十八番・特技・強い所

「価値」とは
・その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。
・或るものを他のものよりも上位に位置づける理由となる性質

 

 

「強み」 = 自己申告制

私が名刺を含め営業ツールを作る上で考えているのは、
「強み」は自己申告制。

紙に自分自身で100個書き出せば100個全てが強みです。
それはあなたの強みじゃないよと言われる筋合いはありません。 

 

例えばA社さんの強み
・品ぞろえが豊富 ・自社の駐車場が広い ・受付の女の子が可愛い ・会社がきれい。
・会社の裏の桜の木がきれい  

そのすべてが「強み」です。
だって、自己申告制なのですから。

 

 

 

「価値」 = 他者評価制

それに対し、「価値」は他者評価制。

自己申告した「強み」の中で、相手が求めているものだけが、
相手に対しての「価値」になる。
つまり、相手が求めていなければ、その相手に取っては価値ではないということ。

 

例えば例を挙げたA社さんの「強み」

私にとっては、A社さんの品ぞろえが豊富ですごく助かっており、
お伺いする時はスムーズに車を停めることが出来て、
その上、受付の女の子も可愛く、会社もきれい。
A社さんに行くのがいつも楽しみ。春に裏の桜が満開になるのが毎年すごく楽しみ。

そうなると、A社さんの「強み」は全て私にとって「価値」なのです。

でもどうでしょう、A社さんの「強み」。北海道のお客様にとっては。。。。

品ぞろえが豊富というのは、いつも助かっており「価値」となるのですが、
一度もA社さんを訪問したことのない北海道のお客様にとって、
駐車場が広いことも、受付の女の子が可愛いことも、会社がきれい事も、
裏の桜も、「価値」ではないのです。

 

 

 

「価値」が合致してこそのみ「事が進む」

私はいつも、「価値」が合致してこそのみ「事が進む」という言い方をします。

つまり、自分が提供できる「価値」(自分の「強み」)と、
相手の求める「価値」の合致が必要になるのです。

就職活動でなら、企業側が求める価値と学生側の持つ価値が合致すれば、事が進む。
つまり、就職できる。

ビジネスなら、買う側が求める「価値」と提供する側の「価値」が合致すると事が進む、
イコール、契約。モノを買っていただける。
男女なら、交際する。結婚するとなるわけです。

 

 

 

「価値」は客層が見えないとわからない

なので、名刺には客層(見込客)が何を必要としているのか。をしっかり意識した上で、
会社(自分)の価値とは何なのかを考え。
その上でしっかりと、自分(自社)の価値を伝えることが大事なのです。

昔、「名刺力」セミナーを聞いたモノづくりをしている受講者さんから、
先生のセミナーを聞いて名刺を作り直しましたと、
新しい名刺を見せて頂いたことがありました。

 

 

 

何でもできる会社は、得意なものが何にもないと同じ

その名刺には、こうありました。

あれも出来るし、これも出来る、その上こんなことも出来て、納期も早く、業界一の安値。
加工の精度は極限の〇〇までを実現、しまいには、社員はいいヤツばっかりで。。。。

私の感想は、「で、社長の会社は何が出来るの?」でした。

何でもできる会社は、得意なものが何にもないと同じなのです。

少なくとも、名刺にそう書くとそうなってしまうのです。

 

 

 

 

「伝える」と「伝わる」は違う

その経営者さん、伝えたいことが多すぎて、伝えたくて伝えたくてしようがない。

でも残念ながら、それでは伝わらないんです。
名刺は、伝えたいことを書くのではなく、
「価値」を伝えたい人に伝わるように書くことが重要なのです。
伝えたいことを書くと伝わるように書く。
これ、実は大きく違うんです。

 

 

 

それでも、価値を伝え続けるしかない

 

でもね。

先程も書きましたが、いくら私に、世界一精密な金属加工技術をお持ちの企業さんが、
私に自社の「価値」を伝えても、
価値の合致が生まれないので「事が進まない」

つまり、価値の合致が起こらなければ、仕事にならないのです。

それでも、名刺を使ってしっかりわかりやすく、
少しでも価値の合致につながるよう、事が進むように、
価値を伝え続ける、価値を発信し続けるしかないのです。

昔、ある健康食品を取り扱う会社のお名刺を作ったことがありました。
社長さんは、その商品の素晴らしい効果に惚れ込んでおられました。
名刺のコピーを考えている時に出た言葉が、
「この商品で、世界中の人を助けたい」でした。

そして、私が確認したのですが、
「社長、本心で世界中の人を助けたいと思っています?
本気で、アマゾンのジャングルの奥地の人を助けたいですか?」

少し時間をおいて、「いいえ」と返事が来ました。

そこでお話を詰めていくと、
表現は「私の周りのご縁のある方を助けたい!」に落ち着きました。
世界中よりも、周りのご縁のある方。
この表現の方が、気持ちがより伝わり、説得力がありますよね。

74億人を超えるという世界の人口。
その中で、一生のうちで出会える人々。
そう考えると、出会いってまさに奇跡です。
そのご縁のある方に、自分の価値を伝え、困っている方のお役に立つ。

 

 

 

「伝え」ないとお互いが不幸

 

「B」の工程の話ではないですが、
もし、名刺交換の時に、裏面が真っ白で、「〇〇製作所」
とだけ書かれただけの名刺だったらどうでしょうか。

「また、何かの機会があれば、よろしくお願い致します。」
と社交辞令を交わしただけでその場を後にしてしまうと、
困っている経営者さんも、そのまま「B」の工程に困ったまま。
「B」の工程の会社さんも、受注のチャンスを機会損失してしまう。
お互い不幸。なのです。

「価値」を相手に伝えないということは、不幸な事なんです。

 

 

自分の価値をしっかりお伝えすることは「義務」である

 

だから、奇跡的なご縁でつながった自分の周りのご縁のある方に、
自分の価値をしっかりお伝えすること。
これは、ある意味「義務」なのではないかと思うのです。

 

名刺交換する時の目の前の方。
1人 / 74億人 の奇跡的な確率でご縁を頂けた方。
その方のお役に立てるチャンスかもしれないその時に、
自分(自社)の価値をしっかりお伝えする。

やはり、それは義務ですね。
「価値の合致」は起こらないかもしれない。
でも、それでも、自分(自社)の価値をしっかりお伝えする。

 

それをするためには、
私は名刺が最高のツールだと考えています。

そもそも、お会いした時に口頭で伝えるのは無理がある。

名刺をしっかり活用して、効果的に自分(自社)の価値を伝えていきましょう。

それが、名刺交換しただけで、仕事を受注できることにつながる手段だから。

そして義務なのだから。

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